エース区間での出走に期待が懸かる徳永(1枚目)
予選会での走り。前から徳永、町澤(2枚目)
二人のエース
前回の箱根駅伝では、9区までをシード権圏内で終えながら、10区でまさかの19位転落。手元につかみかけた名門復活は、またも持ち越しとなった。
そして始まったチームの再建。新チームのスローガンは『勝利への執念』だ。実力低下が目された中大の箱根駅伝予選会は、毎年のことながら出場を危ぶまれて、今回も注目が集まった。
「第8位、中央大学」。呼ばれた瞬間、ひときわ大きな歓声が湧いた。4年生エースの德永が日本人トップの個人4位。インカレの10000mでも日本人トップだった德永が、予選会通過にも期待通り大きく貢献。関カレの10000m3位で表彰台に上った町澤も、チーム内2番手の個人15位。藤井や三宅といった主力選手を欠く中で本戦出場を決める。二人のエースがきっちりと仕事を果たせるチームへと成長した。
本戦の秘策
3大会連続でシード権を落としている中大。シード権獲得のポイントとなるのは二人のエースと、箱根駅伝特有の区間である山だ。
上りは小谷。ここまで2年連続で5区を経験し、前回は区間7位を記録した。上りに抜群のセンスを発揮する小谷が、往路のゴールテープを10位以内で切りたい。下りには谷本がいる。前回初めて6区を走ると、途中まで区間賞ペースで突っ走った。最終的には区間6位だったが、区間適正と積極性で、今年も区間賞を狙って復路を勢い付ける。二人のエースは1、2区起用が濃厚。全員が上手くはまれば、シード権奪還が見えてくる。
区間上位で走れる選手が実力を発揮し、つなぐ選手が確実につなぐ。そして控えの選手が全力でサポートする。「みんなが同じモチベーションで箱根を迎えたい」(藤井)。主将の藤井が目指すチーム像を形にできれば、結果は自ずと付いてくるだろう。
TEXT=西原沙和(中大スポーツ)
87年連続90回目
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