昨年の箱根駅伝、青学大は神野大地(現、コニカミノルタ)らを擁し、10時間49分27秒という最高記録を叩き出し初優勝に輝いた。そして今年、青学大は39年ぶりの完全優勝で大会連覇。東洋大、駒大、早大などの歴代王者を退き「青学時代」の到来を告げた。
迎える第93回箱根駅伝。青学大はある二つの偉業に挑もうとしている。一つは大会3連覇。もう一つは大学駅伝年度三冠だ。
今日まで約40の大学が出場してきた箱根駅伝。そのうち優勝校は16校。3連覇以上を果たした大学はわずか5校しかない。さらに年度三冠達成も3校のみ。過去のデータから見ると、どちらも至難の業だ。
しかし、今年の青学大の力を見ると、偉業達成は充分可能だ。神野をはじめ、久保田和真(現、九電工)、小椋裕介(現、ヤクルト)ら「青学時代」の立役者が抜けたが、エース一色恭志(4年)を筆頭に、田村和希(3年)など、戦力は今まで以上に充実。他校が付け入るスキはない。
10月の出雲駅伝は4年生の走りが光り連覇。11月の全日本大学駅伝でも一色の貫禄の粘りで初の日本一を掴み、三冠へ王手を賭けた。
残すは箱根のみ。大会3連覇と年度3冠を同時に成し遂げれば大学駅伝史上初の快挙となる。
「真の王者」へ視界は良好だ。
三冠へー。優勝候補筆頭はやはり青学大か
しかし王者を脅かす存在が今年は多い。優勝争いの中心を担ってきた東洋大、駒澤大をはじめ、全日本2位の名門、早大。5000㍍が13分台の選手が13人と、戦力充実の東海大。出雲、全日本ともに大健闘の山梨学大と中央学大など、まさに群雄割拠だ。青学、東洋、駒澤の「3強」が崩れるかもしれない。
青学大をはじめ駒大、東洋大の3強のゆくえは?
注目は優勝争いだけではない。毎年、熾烈を極めるシード権争いも見物だ。
前回10位の帝京大を筆頭に、予選会1位通過の大東大。全日本出場を惜しくも逃した神大や古豪の明治大。予選会3位の創価大や3年ぶりの出場となる国士大などが虎視眈々と狙っている。
93回目となる箱根駅伝。21色、210人の思いが、新春の箱根路を駆け抜ける。
TEXT=渋谷公威(スポーツ国士)
0コメント