[出場校プレビュー]法政大学~総合力で勝負、シード権奪取へ~

エースとして期待される足羽


2年ぶりに伝統のオレンジの襷が箱根路を駆け抜ける。昨年は予選会で12位と惨敗し、出場を逃した法大。箱根出場回数は歴代4位の76回。総合3位も経験した名門校が屈辱を味わった。今年は予選会でリベンジを果たし、出場権をつかみ取った。

シード獲得へ

 今年の箱根での目標はシード権獲得。だが予選会は7位通過。1万メートルのタイムでは唯一28分台の選手がいないため、小粒に見えるかもしれない。しかしトラックのタイムでは測れないロードの強さ。誰かに頼るわけではなく、全員が力を出し切ることでシード権は見えてくる。特に重視しているのは前半の区間だ。坪田智夫監督も「1、2、3区がポイント」と語るように、昨今の箱根駅伝では序盤の区間でチームの流れが決まることが多く、各大学エース格の選手を投入してくる。法大もエース・足羽純実や、予選会で好走した坂田昌駿、有井渉。さらには成長株の城越洸星らでシード権内に食らいつきたい。

新エース足羽

 その中でもチームの「核」となるのが足羽だろう。1年次から出雲駅伝、全日本駅伝で共に区間5位と結果を残してきた選手だ。ケガに苦しんだ時期もあったが、今年は5000m、1万メートルで共に自己ベストを更新。予選会でも個人12位とエースと呼ぶにふさわしい活躍を見せた。西池和人(平26年度卒、現コニカミノルタ)に代わる新たなエースとして、箱根での走りに注目したい。

下馬評は決して高くはない。戦力も豊富とは言い難いが、そんな時にこそ強さを発揮するのが法大だ。3年前の箱根でも下位候補と言われながら、往路を5位で駆け抜け、総合9位でシード権を獲得している。「意外性」とも称されることもある法大。ダークホースとして、オレンジの襷が箱根路で躍動する。

取材日記

 4年生。最後の箱根に懸ける思いは強いだろう。箱根で競技生活を引退する選手も多くいる。だがそれは選手に限った話ではない。法大でマネージャーを務める中西正明も最後の箱根へ臨む。選手として入部したが、2年前の箱根後に転向。以来マネージャー業のみならず、幅広い知識を生かし、コーチの役割も担ってきた。

チームを裏から支えてきた中西。予選会後には「中西さんがいなかったらこの結果はない」と言う選手がいたほど。まさに箱根出場の影の立役者だ。箱根では運営管理者に乗る予定だという。「きついところでも元気になれるような言葉を選手にかけたい」と意気込みを見せる。中学から始めた陸上もこの箱根で最後。「予選会以上の感動、喜びを味わいたい」と語る中西。もう一つの箱根駅伝にも注目したい。

TEXT=佐々木岳(スポーツ法政)



2年ぶり76回目

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